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2012年3月5日月曜日

在庫数量の決め方(1)

必要以上に在庫を抱えないためには、必要以上に商品を仕入れないようにすればよい。では、仕入れる量はどのようにして決めればよいだろうか。
例えば、現在の在庫が最大である60個だとしよう。発注から入荷までに必ず2日かかり、1日に必ず20個の商品を売り上げている場合、発注数量はいくつにすればよいだろうか。
在庫数量(個)60/60
発注から入荷まで2日
売上ペース20個/日
今日発注すると2日後に入荷する。売上ペースから計算すると、入荷時の在庫数量は20/60個となり、40個を補充することができる。よって、40個発注すれば、品切れを起こさず、かつ倉庫内に収めることができる。
では、在庫量をより少なくすることはできないだろうか。これを考えるには、発注から入荷までの時間と、売上ペースに注目するとよい。最大在庫数量を40個に設定すれば、2日に1度、商品を40個発注することで在庫を維持できる。
まだ改善の余地はある。発注から入庫までには2日かかるという制約はあるが、2日に1度しか発注できないという制約はない。つまり、毎日20個発注すると決めれば、最大在庫数量を20個まで減らすことができる。
これが、在庫管理の根本となる考え方だ。実際には、様々なことを考慮して、最大在庫数量や発注数量などを決定することになる。ここでは、説明を簡単にするために極端な例を示した。

2012年3月2日金曜日

在庫を抱えすぎることによる弊害


在庫を抱えすぎると、店の経営に様々な問題が発生する。
第一に、在庫スペースの維持に費用がかかることだ。倉庫が大きければ大きいほど、地代や固定資産税がかさみ、経営を圧迫する。
第二に、需要の変化に対応するのが難しくなる。古い製品が在庫スペースを占領していると、新商品を仕入れることができなくなる。結果として、新商品を販売する機会を逃してしまう。
第三に、現金や預金が少なくなることで、資金繰りを悪化させる。仕入れに大量の資金を費やしたばかりに、取引先への支払いや借金の返済が遅れてしまうことがあり、黒字倒産になりかねない。
これらを踏まえて、適切な量の商品を仕入れることが在庫管理の基礎といえる。では、具体的にはどのように仕入れたらよいのだろうか。それについては次回。